冬になると唇の皮がむけます。リップは塗っています。それでも、口角にはひびが入ります——リップを塗っても口角のひび割れが治らないのは、なぜでしょうか。
口角は、乾燥以外の原因が重なりやすい場所だからです。 東京駒込皮フ科クリニックは、口の端ばかり切れる理由について「口角に唾液が溜まりやすいことや、胃腸の疲れ、ビタミンB群や鉄分の不足、または『カンジダ(真菌)』というカビの感染など、複合的な要因が関係しています」と説明しています(東京駒込皮フ科クリニック「治らない唇の荒れ・口角の切れは『口唇炎・口角炎』?原因と治療法を専門医が解説」・2026年10月24日確認)。リップの保湿で守れるのは、乾燥の分だけです。
リップを足す前に、口角に当たっているものを1つ減らすほうが先です。
口角が割れる仕組み
口角炎は、口の両端または片端の皮膚や粘膜が炎症を起こし、亀裂・ただれ・かさぶたができる状態です。アイシークリニック大宮院は「口を開けるたびに亀裂部分が引っ張られて痛みを感じることが多く、食事や会話に支障をきたすこともあります」と書いています(アイシークリニック大宮院「口の端が切れる原因と対処法|なかなか治らない口角炎を徹底解説」・2026年10月24日確認)。
同院によると、多くは数日から1週間ほどで自然に良くなります。ただ、免疫が落ちているときや、適切なケアができていないときは、2週間以上長引いたり、同じ場所を繰り返し傷めたりするとしています。
口角が割れる主な原因は5つ
| 原因 | 何が起きているか | リップの保湿で防げるか(当サイトの整理) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 乾燥と刺激 | 冬の乾いた空気、マスクの摩擦、なめる癖。唾液の消化酵素が口角の皮膚を刺激する | 守れる範囲 | 大宮院 |
| リップ・口紅のかぶれ | 香料や成分への接触皮膚炎。塗るとかえって悪化することがある | 原因そのもの | 駒込 |
| ビタミンB群・鉄の不足 | 皮膚や粘膜を保つ栄養が足りず、口の中や舌にも炎症が出やすい | 防げない | 大宮院 |
| カンジダ・細菌の感染 | 口の中の常在菌が、免疫の低下などで増える。白い付着物や膿が目印 | 防げない。保湿だけでは改善しない | 大宮院 |
| 口角炎と見分けにくい口唇ヘルペス | ウイルス。小さな水ぶくれが先に出て、破れて切れたようになる | 防げない | 大宮院 |
5つのうち、リップクリームの保湿で守れるのは最初の1つです。2つ目は、リップそのものが原因です。あとの3つは、リップを塗っても治りません。
リップを塗っても治らない理由
塗っているリップが、かぶれの原因になっていることがある
東京駒込皮フ科クリニックは「市販の高保湿リップを使えば治る?」という問いに、「治らないどころか、悪化することがあります。リップに含まれる香料や成分が原因で『接触皮膚炎(かぶれ)』を起こしているケースが非常に多いです」と答えています。いつも使っているリップや口紅を塗ると赤みや皮むけがかえって悪化するなら、早めに皮膚科へ、という受診サインにも挙げています。
カンジダや細菌は、保湿では良くならない
アイシークリニック大宮院は、ワセリンやリップクリームでの保湿について「カンジダや細菌感染が疑われる場合は、これだけでは改善しないため注意が必要です」と書いています。カンジダが原因の口角炎は、白っぽいかさぶたや付着物が口の端に見られるのが特徴で、抗真菌薬が必要とされています。
栄養が足りていない
ビタミンB群(特にB2・B6)や鉄分の不足は、口角炎のもっともよく知られた原因のひとつだと、アイシークリニック大宮院は書いています。ダイエットや偏食で不足するケースがよく見られる、とも書いています。塗るものをいくら変えても、ここは変わりません。
今日やめること3つ
| やめること | 理由 | 出典 |
|---|---|---|
| なめる | 「絶対にやめてください」。唾液と一緒に唇の水分まで蒸発し、乾燥と炎症を悪化させる最大の原因 | 駒込 |
| むけた皮を引っ張る | 「絶対にやってはいけない」2つのうちの1つ | 駒込 |
| 治らないまま同じリップや口紅を使い続ける | もう1つがこれ。かぶれの原因になっていることがある | 駒込 |
あわせて、辛いもの・塩分の濃いもの・酸っぱいもの、硬い食品や口を大きく開ける食べ物は、痛みや刺激になり亀裂を広げることがあるので落ち着くまで避ける、とアイシークリニック大宮院は書いています。食後は口元をゴシゴシこすらず、やわらかいティッシュやガーゼでそっと拭きます。
塗るなら、白色ワセリン
アイシークリニック大宮院はワセリンやリップクリームでの保湿を、東京駒込皮フ科クリニックは「不純物の少ない『白色ワセリン』をこまめに塗っていただきます」と白色ワセリンを挙げています。大宮院は、就寝前に塗っておくと寝ている間の乾燥を防ぐ効果が期待できる、としています。
市販薬には注意があります。アイシークリニック大宮院は、抗炎症成分を含む口内炎用の軟膏が口角炎に使われることもあるが、「カンジダが原因の場合は悪化する可能性があるため、原因が不明な場合は安易に使用しないことが大切です」と書いています。ステロイドも同じで、カンジダが関与していると悪化することがあるため、原因の特定が先です。
皮膚科へ行く目安
東京駒込皮フ科クリニックは、受診の緊急度を3段階で示しています。
| 段階 | 状態 |
|---|---|
| 今すぐ受診 | 痛みやかゆみが強く会話や食事に支障がある/膿やただれを伴う/口角に白い付着物が見える |
| 早めに皮膚科へ | ひび割れや出血が長期間続いている/いつものリップや口紅を塗るとかえって悪化する/水ぶくれができてピリピリ痛む |
| 様子見・早めの相談 | 軽い乾燥や皮むけだけで、ワセリンで保湿すれば落ち着く |
アイシークリニック大宮院は、適切なセルフケアを2週間続けても良くならない場合、同じ場所を繰り返し傷める場合、水ぶくれが先に出る場合、白い付着物や膿がある場合に受診を勧めています。受診先は皮膚科・口腔外科・耳鼻咽喉科・歯科です。原因が分からない場合や全身の病気との関連が疑われる場合は、内科で血液検査を受けて栄養状態や血糖値・貧血の有無を確認するのも有効、としています。糖尿病・貧血・免疫の病気などの持病がある人は、早めに主治医か専門医に相談するのが安心、とも書いています。
初診では、現在使っているリップや生活習慣を確認する、と東京駒込皮フ科クリニックは書いています。使っているものを思い出せるようにしておくと、聞かれたときに答えやすくなります。
落ち着いてから、何を塗るか
炎症が引いたあとは、低刺激のワセリンのみでの保湿に切り替える、というのが東京駒込皮フ科クリニックの進め方です。ワセリンで冬を越せるなら、それで足ります。
皮むけも繰り返すなら、唇は縦じわに沿って上から下へ、夜は厚めに塗るという塗り方も合わせて見直してください。
唇全体の荒れも防ぎたくてリップを選び直すなら、区分で分けます。化粧品との違いでいえば、ひび割れまで防ぐ効能が承認された有効成分を配合できるのは医薬部外品です。ただし医薬部外品の効能は「防ぐ」で、いま割れている口角を治すものではありません。
よくある質問
口紅はいつから塗っていいですか?
東京駒込皮フ科クリニックは、完全に炎症が治まりひび割れが塞がるまではメイクを控えるよう書いています。再開して再び荒れるなら、その口紅自体がかぶれの原因の可能性があるので使用を中止する、としています。
市販薬で治りますか?
栄養不足が原因なら、ビタミンB2・B6を含む市販のビタミン剤が有効なことがある、とアイシークリニック大宮院は書いています。ただしカンジダ感染が原因なら市販の軟膏では改善しにくく、悪化することもあるとしています。原因が分からないまま続けず、2週間で変わらなければ受診です。
口角炎と口唇ヘルペスはどう見分けますか?
口唇ヘルペスは、炎症の前後に小さな水ぶくれが集まって現れ、かゆみを伴うことが多いです。口角炎は水ぶくれを伴わず、亀裂・赤み・かさぶたが主な症状です。見分けにくいこともあるので、水ぶくれが先に出たら早めに受診を、とアイシークリニック大宮院は書いています。
まとめ
リップを塗っても口角のひび割れが治らないのは、口角に乾燥以外の原因が重なっていることがあるからです。主な原因は5つあり、リップの保湿で守れるのは乾燥と刺激だけです。リップそのものがかぶれの原因になっていることもあり、栄養不足や感染はリップの保湿では治りません。
今日やめることは、なめる、むけた皮を引っ張る、治らないまま同じリップや口紅を使い続ける、の3つです。塗るなら白色ワセリンです。市販の軟膏やステロイドは、原因が分からないうちは使いません。
塗るものを替える前に、口角に触れるものを減らします。それで2週間変わらない、繰り返す、白い付着物や膿、水ぶくれがある、痛みで食事や会話がつらいなら、次は皮膚科で原因を確かめる番です。


